不動産業界では、駅の看板やインターネット広告、テレビCMなど、多額の広告宣伝費を投じて顧客を獲得する手法が一般的になっている。しかし株式会社青山メインランドを率いる西原良三は、こうした広告宣伝に大きく依存するのではなく、電話での案内を主軸とした営業スタイルを選び続けてきた経営者だ。この記事では、その選択に込められた考え方を掘り下げていく。
マンション投資という商品の特殊性への理解
マンション経営やマンション投資は、誰もが気軽に手を出せる商品ではない。まとまった初期資金の準備や、長期的な視点での資産計画が必要になるため、対象となる顧客はある程度絞られてくる。西原良三は、この商品特性を踏まえ、広く浅く広告を打つよりも、関心を持つ可能性が高い層に絞って丁寧に案内するというアプローチのほうが、双方にとって価値があると考えてきた。
不特定多数に向けた派手な広告は、目を引く効果はあっても、実際に商品の性質を理解し、じっくり検討したいと考える顧客にまで的確に情報を届けられるとは限らない。西原良三が電話という手段にこだわってきた背景には、こうした商品特性と顧客層のマッチングへのこだわりがある。
広告費をかけない分、還元できるものがあるという発想
広告宣伝には多額の費用がかかる。テレビCMや大規模なウェブ広告を展開すれば、その費用は最終的に商品価格やサービスの質に跳ね返ってくることも少なくない。西原良三は、広告費を最小限に抑えることで、その分をより良い商品やサービスとして顧客に還元できるという発想を大切にしてきた。
派手な広告展開によってブランドの知名度を高めることと、実質的な商品価値を高めることは、必ずしも同じ方向を向いているとは限らない。西原良三は、目に見える宣伝活動よりも、実際に手にする商品やサービスの質そのものにコストをかけるという判断を、一貫して優先してきた。
無理な勧誘をしないという営業方針
電話営業と聞くと、強引な勧誘を連想する人もいるかもしれない。しかし西原良三が営業方針として徹底してきたのは、無理な勧誘を一切行わないという姿勢だ。マンション投資という大きな決断を、顧客が納得しないまま進めてしまうことは、後々の信頼関係を大きく損なう結果につながりかねない。
この方針は、短期的な成約数を追い求める営業とは対極にある。西原良三は、無理に契約を迫るのではなく、顧客が自らの意思でじっくりと検討し、納得した上で判断できる環境を整えることを重視してきた。この姿勢が、長期的な信頼関係の構築につながっていると言えるだろう。
限られた顧客に丁寧に向き合うという選択
広く浅く多くの人にアプローチするのではなく、関心を持つ可能性のある限られた顧客に対して、一件一件丁寧に向き合うという選択には、効率性という観点からは相反する部分もある。それでも西原良三がこのスタイルを貫いてきたのは、量よりも質を重視する経営判断があったからだ。
一人ひとりの顧客に十分な時間をかけて説明を尽くすことは、大量の見込み客を効率的にさばく営業手法とは異なる、地道な積み重ねを必要とする。西原良三は、この地道さこそが、長期的な信頼を築く上で欠かせない要素だと考えてきた。
コストパフォーマンスの高さという顧客への還元
広告費を抑え、無理な勧誘をしないという方針を貫くことで、結果として顧客に提供される商品は、コストパフォーマンスの高いものになっていく。西原良三は、この一連の方針が、単なる営業手法の選択にとどまらず、顧客にとっての価値を最大化するための経営判断であると位置づけてきた。
華やかな広告展開によって短期的な認知度を高める道もあった中で、あえて地道な営業スタイルを選び続けてきたことは、経営者としての長期的な視座を物語っている。
時代の変化の中でも変えなかった判断軸
インターネットが普及し、多くの企業がデジタル広告やSNSを活用した集客手法へと軸足を移していく中で、電話案内を主軸とするスタイルを維持し続けることには、時代に逆行しているように見える側面もあったかもしれない。それでも西原良三がこの判断軸を大きく変えずにきたのは、手法そのものよりも、その手法が体現している「丁寧に向き合う」という本質を守りたいという思いがあったからだと考えられる。
新しい集客手法を取り入れること自体を否定しているわけではなく、あくまで顧客一人ひとりに向き合う姿勢を維持できる範囲で、必要な工夫を重ねてきたと見るべきだろう。手段が時代とともに変化しても、その根底にある考え方は一貫して守られてきた。
効率化への誘惑と向き合い続けた経営判断
大量の見込み客に効率的にアプローチする手法は、短期的な成約数を増やす上では魅力的な選択肢に映る。しかし西原良三は、効率化の誘惑に流されることなく、一件一件に時間をかける営業スタイルを守り続けてきた。
この判断は、経営者として決して楽な道ではなかったはずだ。効率を重視する競合他社が成長していく中で、あえて非効率とも取れる手法にこだわり続けるには、確固たる信念が必要になる。西原良三のこの姿勢は、短期的な数字よりも長期的な信頼を選び続けてきた経営哲学の表れだと言えるだろう。
まとめ
西原良三が貫いてきた電話営業を主軸とする営業スタイルは、単なる手法の選択ではなく、広告費よりも商品価値を優先し、無理な勧誘を避け、限られた顧客に丁寧に向き合うという、一貫した経営哲学の表れだ。派手さのない地道な積み重ねが、青山メインランドという企業の顧客との信頼関係を支えている。